2016/11/28
今回は高校1年生の国語総合の授業でのICT活用についてご紹介します。
この時間では『徒然草』137段「花は盛りに」の導入部分を扱いました。
使うのは、iPadにインストールされている「ロイロノートスクール」とモニターです。
生徒は、初めに、宿題となっている本文冒頭の品詞分解をカメラ機能を用いて撮影し、教員に送信して提出します。
そのいくつかが選ばれ、モニターで順に示されます。
それらを比較検討しながら、正しい理解をします。
それをもとに、本文の訳出を進めていきます。
教員との応答のなかで、モニターと黒板に文法事項や新出単語などがそれぞれ書き込まれていくので、それをノートにとったりメモしたりしていきます。
中盤から終盤にかけては、この部分の読解の前提知識である和歌世界の美意識を学びます。
『古今和歌集』巻一・二の春の歌の配列を知るために、PDF化された七枚の「景物カード」(うぐひす・若菜・梅・桜・藤・山吹・ほととぎすの写真)を、順番を予想して並べ、順番ごとの箱に送信していきます。
締切時間のあと、それらを一覧すると、傾向が一目瞭然。
正解・不正解がわかって盛り上がったあとに、実際の『古今和歌集』の本文PDFを見て、和歌の配列が思った以上に整然と並べられていることを確かめます。
そのうえで、桜は配列の中でどのように扱われているのか――と理解を進めるのですが、そこで授業終了です。
このように、いくらかのゲーム的要素も含めて、古典知識や背景などの理解を補助するインターフェイスとして、また生徒一人ひとりの解答や発想を共有するツールとして、ICTは威力を発揮します。
別クラスの例では、ペアワークやグループワークでもiPadを活用しています。
一方で、黒板も極めて優秀なインターフェイスです。
状況に応じた手段を取捨選択しながら、生徒のより深い理解や思考を促していきたいと考えています。
(高1国語科スタッフ)