建学以来、本校は教育目標として「人間形成と大学進学」を掲げています。「人間形成」とは、「社会を支え、社会を導くリーダーとして活躍する人間、社会を支え、人と人を繋ぐことのできる人間の育成」のこと。自由と規律のバランスが取れた校風が社会に有為な魅力ある人材を育てます。本校が目指すこの人間像に近づくためには、他者に対して誠実且つ、多様性社会を受け入れられるような視野の広さを備えていくことが必要となります。人は誰でも"他者との対立"や、楽な道へ流されそうになる"自分の中の葛藤"など多くの壁にぶつかります。城北が育む「人間力」はそのような場面でいかんなく発揮することでしょう。近年のAI(人工知能)の進化は目覚ましいものがありますが、まだAIでも解決が困難な問題は国内外に山積しています。そういった計算式では引き出せない難問に対峙する力の基盤となるものは「人間力」である、と私は考えます。
もう一つの教育目標である「大学進学」は言うまでもなく、皆さんの希望を叶えるための次のステージへの進学を指します。しかし、本校が創立された当時の日本における大学進学率は僅か数パーセントでした。大学進学者は今以上に日本社会のエリートとして国をリードしていました。自分の夢を実現し、社会貢献できるような有為なる人材となることは創立当時もグローバル化が進む今日においても若者にとっての変わらぬ夢です。城北学園では夢を追いかけ、将来は社会の第一線で活躍していくであろう皆さんを応援します。
学園の正門横には、一本の大きなヒマラヤ杉が生えています。城北学園がこの地に根を下ろすことになった時、地元の人から寄付されたものです。つまり本校と同じ年月を育ち大樹に成長したということです。ヒマラヤ杉の天に向かってまっすぐ伸びる凛としたその姿を見ていると、城北に根差し、様々な経験を通して成長した卒業生たちを思い出します。人としての魅力を仲間たちとともに磨きながら着実に成長し、大樹のように育っていく、その土壌が城北学園にあります。
城北の創立者深井先生は創立にあたって「教育の使命は、社会に役立つ有為なる人間の育成にある」とし、「そのような人間とはまず優れた人間性を備えその上に広い教養と高い専門性を修めた者である」と教えました。そして中等教育の役割を次のように語りました。
「中等教育の役割は善良で有為なる市民となるのに必要な学問・素養を身につけさせることにあるが、その上になお高い知識や技能を求めて上級の学校への進学を希望する生徒がいたなら、その志望を遂げさせるのも重要な責務である」
本校の「人間形成と大学進学」という教育目標はこの深井先生の考えに基づいたものです。
本校の教育は、創立以来受け継がれている「質実厳正」の精神を大きな柱として
1.社会性を備え正しい道理の実行ができる人間の育成
2.努力を惜しまず自律的に行動できる人間の育成
3.感受性を豊かにもち、自己啓発と創造力に富む人間の育成
を基本に、本校の校訓である「着実・勤勉・自主」を日々の行動の規範に位置づけ、教育目標である「人間形成と大学進学」の達成に努めております。