2023/6/21
先週、iRoomで鑑賞した映画「ミッション8ミニッツ」について2つのグループに分かれて、英語でディスカッションを行いました。この映画はSF映画で、主人公がタイムトラベルをしながらある使命を遂行しようとする物語ですが、その中にさまざまな人間ドラマが描かれている傑作です。好きな登場人物、好きなシーン、映画のテーマは何か、映画の中で主人公が女性に問いかける質問 “What would you do if you knew you had only one minute to live?” (もし1分しか生きられないとわかったら、あなたは何をしますか?)にどう答えるか、ラストシーンで乗客が幸福そうなのは何故か、などについて意見を出し合いました。
好きな登場人物では、主人公もさることながら、上司の命令に背いて行動した女性研究者を上げる人も多くいました。好きなシーンでは、父と息子の感動的な場面や、主人公が残された時間がわずかの中で女性にキスをする場面を上げる人も複数いて、思わず笑いが起きました。映画のテーマは、compassion(共感、思いやり)、duty(義務)、sacrifice(犠牲)、courage(勇気)などが出されました。「もし1分しか生きられないとしたら」という問いには、「両親に感謝の気持ちを伝える」と答える人がいる一方、もし恋人がいたら「親よりも恋人に電話する」と正直に答える人もいました。ALTのライリー先生は「アメリカにいる姉に電話する」そうです。トゥミ先生は、15秒でチョコレートを食べまくり、15秒で家族に電話して感謝を伝え、残りの30秒は祈りを捧げてこの世で犯した過ちの赦しを請うそうです。ラストシーンで乗客が憂いから解放され幸福そうなのは、映画監督からのメッセージではないか。すなわち、それまでは小さなことで腹を立て、言い争っていた人たちが、あることをきっかけに気持ちを共有することができた。1つの理想的な生き方を私たちに提示したのではないと考察しました。
最後に映画の中の名セリフから好きなものを出し合いました。1番人気があったのが、”Everything’s gonna be okay.” (すべてはうまくいく)というセリフで、度重なる苦難に立ち向かう主人公が何度も自分に言い聞かせていた言葉です。大きな試練に対峙してひるんでしまいそうな自分を奮い立たせ、人事を尽くして最後は運命に身を委ねる一種の祈りのような言葉です。他にも、”Don’t be too hard on yourself.”(自分に厳しくなり過ぎてはいけない。)や “Don’t sweat the small stuff.” (小さなことにくよくよするな。)、”I’d make every second count.” (1秒1秒を大切にしたい。)なども、私たちが前向きに晴れやかな気持ちで生きていけるように、そっと背中を押してくれるような言葉です。
今までも何度か映画を鑑賞してディスカッションをしてきましたが、今回が最も深く、意義のある議論ができたと思います。部員の大半が中学生のため、英語で表現することに苦労しながらも、積極的に自分の意見を発表した勇気を讃えたいと思います。
“Don’t be afraid of making mistakes. We can learn a lot from our mistakes,” “Enjoy speaking English.”
(語学部顧問)