2023/12/20
地理部では12月15日に2学期のフィールドワークを行いました。今回の調査地域は神奈川県の横須賀市です。三浦半島の中部に広がる横須賀市は、東京湾の入口に位置し、古くから海上交通の要衝として発展してきました。1853年にペリー率いる黒船艦隊が現在の横須賀市久里浜に上陸して以来、江戸・東京を守る要地とされ、軍事機能を備えた都市となりました。かつて、フランスの技術を導入した近代的な造船所が建設されたり、大日本帝国海軍の鎮守府が置かれたりしたことから、現在でも海軍に関する施設や遺構が多く残ります。また、戦後はアメリカ進駐軍の管理下にあったことから、アメリカ軍がもたらした文化も随所に見られます。今回は横須賀の自然、文化と軍事都市としての性格に焦点を当ててフィールドワークを行いました。このフィールドワークの報告は、来年度に発刊予定の「ちりレポ第22号」で行う予定です。
今回の調査地は「横須賀」です。当日はあいにくの天気でしたが、そのおかげで普段は出来ない体験も出来ました。
横須賀港の様子
午前中は横須賀港の沖合に浮かぶ無人島「猿島」へ渡りました。猿島は東京湾内にある唯一の自然の島で、明治期以降、首都東京を防衛する要塞としての役割を果たしてきました。島内にはその当時に建造された多くの施設が残されており、ガイドの方の説明を聞きながら島内を巡りました。
猿島めぐり1
猿島めぐり2
普段は観光客で賑わう猿島ですが、悪天候のおかげで当日はほとんど人がおらず、じっくりと見学ができました。誰もいない島内の様子は、まるでジブリ作品の中に入り込んだみたいでした。
猿島めぐり3
午後は2班に分かれ、中学生は軍港クルーズを、高校生は市内見学を行いました。軍港クルーズでは、アメリカ海軍の航空母艦「ロナルド・レーガン」や海上自衛隊のイージス艦「まや」など、滅多にお目にかかれない艦船を間近で見ることができました。アメリカ海軍と日本の海上自衛隊の艦船を同時に見られるのは、横須賀ならではの景観です。この日は多くの艦船が停泊しており、その多さと迫力に部員達も圧倒されていました。
軍港クルーズ
アメリカ海軍の艦船
高校生は、横須賀中心部の「どぶ板通り」や、フランス人の技術者ヴェルニーの記念館などを見学し、欧米と日本が融合した横須賀独特の景観や文化を学びました。特に、定番の「よこすか海軍カレー」やアメリカ海軍直伝の「ヨコスカ・ネイビーバーガー」は部員達にも好評だったようです。
海軍カレー
ネイビーバーガー
現在、部員達はフィールドワークの成果を「ちりレポ」に掲載するため執筆作業を行っています。冬休みには3学期の巡検と、その後の春合宿の準備に取りかかります。今後も地理部の活動にご期待下さい!!
(地理部顧問)