城北ブログ

〔地学部〕夏合宿の報告

7月31日(水)から二泊三日で行われた今回の地学部の夏合宿は、地震・火山・天体・岩石・温泉と様々な地学分野を学ぶ非常に濃密な日々となりました。

今回、そんな濃密な3日間についてご報告させていただきます。

 

〔1日目・昼〕東日本大震災・原子力災害伝承館訪問

ご承知の通り、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって、多くの方が被災されました。

この災害は、地震による津波の被害はもちろんのこと、原子力災害をも引き起こした複合災害という特殊な側面を持っています。

 

地震が発生してから13年が経過しており、現在の中高生は実体験として震災の経験のない最初の世代となります。

一方ですぐに上の世代は、ギリギリ震災をリアルタイムで記憶している世代であり、今後生徒たちが大人になっていく中で、この世代間ギャップを埋めることは大切なことなのではと考えています。

そこで、今回は震災未経験の第一世代として、当時の様子を記録する東日本大震災・原子力災害伝承館へ赴き、その内容を学んできました。

(津波によって破壊された消防車とそれを見学する部員)

(東日本大震災・原子力災害伝承館内の解説を受けている様子)

(展示について詳しく見ている部員たち)

 

約1時間半にわたって展示を見学ののち、東日本大震災・原子力災害伝承の方のご案内のもと、実際に津波被害に遭った場所を訪れました。

特に印象的なのは児童と教職員の全員が助かった請戸小学校の避難したルートの見学です。

生徒たちは各々に、「命を分けたものは何だったのだろうか」「普段からどのようなことを考えて生活すればいいのだろうか」「事前に何を準備しておけばいいのだろうか」と考えていました。

(請戸小学校の児童・教職員たちが避難した大平山霊園から当時の様子を想像する部員たち)

 

最後に、実際に被災された方から講話を頂きました。

 

地震そのものだけではなく、地震によって生じうる災害とはどういったものかを考えさせられるきっかけになりました。

 

〔1日目・夜〕浄土平天文台訪問

1日目の夜には、浄土平天文台の夜間観望へ参加させていただきました。

この天文台は標高が1600mと高く、また周囲に明かりがないため、肉眼でも美しい星空を見ることができます。

流れ星が流れることもありました。

また、初めて肉眼で天の川を見たという部員もいて、非常に思い出深いものとなりました。

(浄土平天文台前で天の川を眺めている部員たち(星空は写真には写っていない)。)

 

また、天文台に設置してある40cmという大きな口径のカセグレン式反射望遠鏡も使わせていただき、大満足の1日でした。

(天文台の望遠鏡から星を眺める部員)

 

〔2日目〕磐梯山噴火巡り

明治21年、磐梯山は爆発性の強い噴火を起こし、477名もの死者を出す大災害となりました。

これは、現時点で明治以降最大の火山災害となっています。

 

今回は、ジオガイドさんに協力をお願いし、そんな磐梯山の噴火痕をめぐることで、当時の様子について学んでいきました。

(周辺の地質について説明を受ける部員たち)

(噴火口域の銅沼を背景に集合写真)

(岩屑なだれの現場にて)

 

昨日と同様、改めて自然災害のすごさを実感しました。

 

〔3日目〕鉱物採取

河原にて、岩石採取を行いました。

ターゲットとしていた鉱物は残念ながらその場では見つかりませんでしたが、採集した岩石は、学校へ持ち帰って詳しく調べていきます。

(岩石採取の様子)

 

〔3日間を通じて〕

今回宿泊させていただいた好山荘さんは、2種類の温泉を持つ宿です。

温泉の泉質は、多くの場合地質に依存します。

そのため、近傍で複数の泉質の温泉が湧くことは非常に珍しいことです。

この宿の2種類の温泉はいったいどこから来るのだろうと、疑問を感じずにはいられない場所でした。

(赤い濁りをもつ温泉)

(白い濁りをもつ温泉)

 

これらの合宿での様子は、文化祭にて詳しくご報告させていただきます。

文化祭は以下のURLにて事前予約制(9/1より予約開始)となっております。

説明会・公開行事

これを機に、ご訪問いただければ幸いです。

 

最後に、今回の合宿に携わってくださった保護者の方々、各業者の方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。

 

(地学部顧問)