2017/4/2
三月は化学部にとって重要な、学会発表の季節です。
今年は研究成果が充実していたため、三つの学会に四つのテーマを出しました。
まず19日には、京都で行われたジュニア農芸化学会に参加しました。
化学と生物の境界領域を扱う学会ですので、こちらには「お茶の抗酸化作用とビタミンCの関係」というテーマで参加しました。
事前審査のある全国大会ということで、非常にハイレベルな研究が集まりました。
大学や企業の研究者からも注目を集め、本校の発表にも研究で参考にした文献の著者の方がいらっしゃいました。
生徒たちにとっては自信になったようです。
続いて28日には、化学クラブ研究発表会に参加しました。
こちらは一都八県の中高が集まる発表会で、年々レベルが向上しています。
化学部からは「高校で運用可能な廃チョークによる銅廃液処理法の開発」(口頭発表)と「アクリル酸およびメタクリル酸エステルの光開始剤によるラジカル重合」(ポスター発表)というテーマで参加しました。
「廃液処理」の方は、英語でのスライド作りに挑戦しました。
微妙なニュアンスの違いを化学英語で表現することに思っていた以上に苦労しましたが、その努力が評価されたのか、最高の賞である「金賞」をいただくことができました。
最後の受賞スピーチもそつなくこなす生徒の姿は、もはや高校生とは思えないほど立派でした。
「ラジカル重合」の方も、研究者の方々からデータの正確性を高く評価され、発表した生徒も大いに喜んでいました。
一対一で話せるポスター発表の魅力を感じられたようです。
28日は、同時に日本水産学会高校生発表会にも参加しました。
水産学と聞くと魚に関する研究ばかりのような気がしますが、現在では水圏生物に関わる様々な研究が行われています。
化学部からは「アルギン酸とカラギーナンからなる高吸水性高分子の作成」というテーマで発表しました。
海藻に含まれる糖類を組み合わせて、おむつなどに使われている高吸水性ポリマーを作る研究です。
継続研究のため今回で四回目の発表になりましたが、まだまだ謎に包まれた部分が多く、充分とは言えない内容でした。
それでも熱心な発表が評価されたのか、こちらも銀賞をいただきました。
今年も同じ桜の木の下で記念撮影です。
今年の春の学会発表では、賞の受賞の有無に関わらず、研究者の方々から高い評価をいただくことができました。
研究活動を続けていると地味な作業の繰り返しになってしまい、自分が何をしているのかわからなくなることもあります。
そんなとき、外部の方から評価を受けると、非常に意欲が湧くものです。
学会発表を経験した生徒たちは、今後さらに大きく成長していくと思います。
新学期になれば、新入生勧誘が始まります。
また、5月のクラブ体験にも参加いたします。
もし化学研究の一端に触れたいと思った人は、是非一度見学や体験に来てください。
顧問・部員一同、興味のある人のお越しをお待ちしています!
(化学部顧問)