2026/4/3
地理部では3月30日と31日の2日間で春合宿を行いました。今回の調査対象地域は福島県の会津地方です。面積約14,000㎢で,47都道府県の中で3番目に広い福島県は大きく3つの地域に区分されます。太平洋に面し,西側を阿武隈高地で隔てられる地域が「浜通り」,阿武隈高地と奥羽山脈に挟まれ,福島や郡山などの盆地が連続する地域が「中通り」,そして奥羽山脈と越後山脈に挟まれた地域が「会津」です。会津地方は奥羽山脈の西側に位置するため,日本海側の地域と自然環境が似ていて,冬には豪雪となり,地域を流れる阿賀野川や只見川は日本海へ注ぎます。中心都市は会津若松市で,鶴ヶ城を中心に発展した城下町は,戊辰戦争での激しい戦の舞台となりました。文化では,全国的に有名になった喜多方ラーメンのほか,赤べこや会津塗,ロウソクや和紙といった伝統工芸が今に伝わっています。今回は2班に分かれて,会津地方の自然や歴史,地域特有の民俗などについて学びました。この合宿で調査した内容は,2026年度発刊予定の「ちりレポ第24号」に掲載する予定です。
〔自然環境編〕
福島県のほぼ中央に位置する猪苗代湖は国内4番目の広さの断層湖です。その北側には福島県民謡でお馴染みの磐梯山がそびえます。約70万年前に形成された活火山で,これまでに大規模な噴火を繰り返してきました。1888年の水蒸気爆発では,山体の一部が崩壊して川の流れを堰き止め,北側の裏磐梯には30以上の湖沼が形成されました。山の形状は大きく変わり現在は大磐梯,櫛ヶ峰,赤埴山の3つの峰があります。磐越西線の猪苗代駅からは磐梯山の風光明媚な景観を眺めることが出来ます。

<磐越西線と磐梯山>

<猪苗代湖>
猪苗代湖を有する猪苗代町出身の学者が野口英世です。1897年に医師となった野口英世は黄熱病や梅毒など,細菌学の研究に勤しみ多くの研究成果を残しています。現在も猪苗代湖畔に生家が残されていて,隣接する記念館と感染症ミュージアムも見学しました。

<野口英世の生家>

<記念館を見学する部員>
〔歴史編〕
会津盆地の東側に位置する会津若松市は,会津地方の中心都市であり鶴ヶ城を中心に形成された城下町です。鶴ヶ城は14世紀に葦名氏の館が建てられたことを起源とし,16世紀末には蒲生氏によって天守閣が築造されました。1868年から始まった戊辰戦争では約1カ月におよぶ籠城による攻防戦が行われ,多くの砲弾を受けました。降伏後に取り壊された天守閣は1965年に再建され,2011年には幕末当時の赤瓦へふき替えられました。天守閣の中は資料館になっていて,部員達は会津藩の歴史や戊辰戦争に関する資料や展示をみて知識を深めていました。

<鶴ヶ城で集合写真>
蒲生氏は居城を中心とした町づくりも行いました。濠の外側には町家や寺社を配置した城下町を整備し,商工業の振興に力を入れました。城下では自由な商売を認める楽市楽座をさらに発展させた十楽が導入され,活気ある町並みが形成されました。現在でも七日町周辺には酒蔵や漆器,工芸品を扱う店が軒を連ねます。

<七日町通りのようす>
市域の東側に連なる山並みの一つ,標高372mの飯盛山は古くからの信仰の山で,神話や史跡など多くの伝承が残る山です。特に戊辰戦争では,会津藩の16~17歳の少年で組成された白虎隊の隊員19名が自刃した悲劇的な場所として語られます。部員達は飯盛山の急傾斜を登り,景観観察や白虎隊ゆかりの碑などを見学しました。そして,飯盛山には国の重要文化財に指定されている螺旋状の珍しいお堂,さざえ堂もあります。

<さざえ堂で集合写真>
〔文化・民俗編〕
会津地方にはさまざまな伝統工芸がありますが,中でもよく知られている赤べこは,子どもが病気にならないようにお守りとして作られてきました。赤い体は病気を退散させる意味,白黒の柄はかつて会津地方で流行した天然痘が治癒したこと表現しています。部員達はこれからの城北生活が健康で過ごせるよう願いを込めながら,赤べこの絵付け作業を行いました。

<赤べこ絵付け>
会津盆地の北部に位置する喜多方市は言わずと知れたラーメンの町です。札幌,博多と並ぶ日本三大ラーメンに数えられ,市内には90店舗以上のラーメン店が立地しています。喜多方ラーメンの発祥は,大正期に来日した中国人が屋台でラーメンを提供したことにあります。味付けはさまざまですが,平打ち熟成多加水麺と呼ばれる製法で作られた独特のちぢれ麺が一番の特徴です。地理部では「喜多方ラーメン調査票」を作成し,部員達が手分けして様々な店のラーメンを調査した結果,麺のほかにも,小さく四角く切られたチャーシューや,メンマとネギといった最低限の具材しかトッピングしないなど,喜多方ラーメンの共通点が見えてきました。

<喜多方ラーメン>
夕食後のミーティングでは,今年卒業した先輩達からたくさんのアドバイスをもらいました。フィールドワークのレポートはすぐに書く!!授業で出された課題は丁寧に完璧にやる!!部員達はそのアドバイス通り,レポート執筆中です。新学期が始まると1学期のフィールドワークと夏合宿に向けた事前学習が始まります。2026年度も地理部の活動にご期待下さい!!

<卒業生の訓話①>

<卒業生の訓話②>
(地理部顧問)